冷凍餃子と住宅
昨日から大騒ぎとなっている中国産冷凍餃子。以前、ミートホープ事件が報道された同時期、ある食品流通関係者から聞いた話しだが、もはや製造会社のモラルだけではやっていけない状況にあるという。
一円でも安く購入したい消費者の要求に答えなければならない為、大手スパーや飲食店から卸業者への強烈なコストダウンや価格競争を迫られ、当然そのシワ寄せの多くは製造元や原料調達元へ及ぶ。
住宅も同じことが言えると思う。「少しでも安くていい家を建てたい」という消費者心理は私も当然のことだと思う。しかし、工務店の立場からすると、とことん他社と競合させて極めて安く家を建てることになり、満足気な消費者の方に対し、私は、「本当にお得な買い物をされたと思いですか?」と質問したくなる。
大幅にダンピングし、受注した業者と施主さんとの関係が悪化したという話しは業界内ではよく聞く話しである。
住宅を施工するにあたり、第三者検査機関等による検査基準があるにせよ、家は車と違い全ての工程を工場で生産することはできない。どうしても最後は「造り手」によって左右されることになる。極限のコストで受注する業者の下に、いい仕事を残したいと思う職人が来るだろうか?もし、あなたが業者や職人だとしたら・・・。
2008/01/31
私が尊敬する友人
弊社のお客様であり、今では大切な友人でもある小崎先生と短い時間であるが、楽しい時間を共有した。
小崎先生は、以前、中学校の教壇に立ち美術を通し子供たちと向き合ってきた。子供たちの反抗や、怒りの裏には必ず深い悲しみがあると言った。「大人たちが目をそらさず、ちゃんと向き合えば必ず子供たちは分かってくれます。子供たちは安心したいんですよ」と。子供たちの深い悲しみに、共に涙するとても慈悲深い先生である。
同年代の方でなければ知りえないと思うが、「金八先生」で中島みゆきの「世情」がバックミュージックで流れながら、校舎に立てこもっていた加藤たちが逃惑いながら逮捕されていった。校内暴力が社会問題となったあの時代である。その時代を大人たちの矛盾を感じながら私は中学生活を送った。小崎先生の様な教師と出逢っていたら、もう少しまともな学生生活を送っていただろう。
現在、小崎先生は小学2年生を受け持ち、1枚の絵から子供たちが持つ無限の想像力と表現力を引き出すことに力を注いでいる。「昨日も、朝一人のこどもが、先生!こんなに厚い氷が張っていたよ~と見せてくれたんですよ、子供たちの日々の小さな発見や感動をできるだけ、大切にしてあげたい」と使命感を感じる様に話してくれた。
昨年にはご両親のご自宅も建てさせて頂き、スタッフ一同深く感謝。そして何より、学生時代から苦手な教師である小崎先生とこうして飲みながら、語り合える友人となることができ、とても嬉しく思う。
先生の願いでもある、「美術教育発展」の為に、この日記にてご紹介させて頂きたいと先生にご許可を頂いた。いつか何らかの形で、企業として先生の様な方を応援できたらと思う。
リンク→小崎先生のブログ
2008/01/30
宝塚の魅力
昔から宝塚と聞くと、宝塚ファンから怒られそうであるが、「厚化粧の女性ばかりの劇」と思っていた。どうして、これ程までも長い間、支持され続けられているのか全く理解できなかった。しかし、今回その理由がよく分かった。
とてもシンプルだが、圧倒的な宝塚ファンによって支えられている。ファンを飽きさせず、魅了し続けることが宝塚の強みである。
通常、映画等は、一度観たら同じ映画を2度も3度も観に行くことはあまり無い。しかし、宝塚を支えるファンは、同じ内容の公演を何度も何度も観に行くことが「普通」らしい。その理由は、まだ陽の目が当たらない卵の団員を応援しながら成長を見守る楽しさや、舞台で起こるハプニングを楽しんでいるらしい。(これだけではないと思うが・・・)
確かに、私も舞台でお気に入りの子を見つけ、応援してあげたくなり、プロマイドを買ってしまった。しかも、小さいものではなく、より高価なビックサイズを・・・。はまってしまった。
ファンを魅了する様々な理由が宝塚にはあるが、最大の魅力は、観るひとに感動を与え、そして、美しい生き方を説いていることだと感じた。
ひとは、感動体験をすることにより、こころの底から豊かさを感じることができ、深い悲しみから立ち直ることもできると思う。それは、老若男女皆同じである。
「観るひとを感動させ、人生に豊かさを感じてもらう」そのフィロソフィー(哲学)が、宝塚がビジョナリーカンパニー(長寿優良企業)であるゆえんだと確信した。
杖を突いた足の不自由なおばあさんが、独り、私の席の前を申し訳なさそうに横切った。不自由な体でこの会場まで来ることは、どれほど大変なことかが容易に想像できる。そこまでして観たいと思う原動力は・・・。彼女はここに来ることで、燃え残る夢と共に自由に動き回ることができるのだろう。
2008/01/26
横浜山手洋館視察
私のメンターのひとりである戸谷英世先生と共に横浜山手の洋館視察を学ぶツアーに参加した。何度も訪れた場所だが、いつも新たなる気付きがある。



「これらの建物がどうして残ったか?その理由を考えて頂きたい」と先生は言った。
現在残っている洋館全てが、伝統的な建築様式に基づいたデザインとなっている。いわゆる、斬新と言えるデザインは一棟も残っていない。これらの建物の多くは築80年以上の時を経ているが、近隣に新築されている億は下らないと思う住宅より、凛として美しく愛着を感じる。
ランドセルの子供たちが洋館通りを歩いていた。多分、この小学生の子供たちが大人になった時もきっとこう思うだろう。「この洋館は、時を経ても美しい。子供の頃から私を見守ってくれている様な気がして、とてもおだやかな気持ちになる」と。
技術屋としての気付きとして、現在残っているスパニッシュスタイルや南仏スタイルの塗り壁の西洋館は、日本の気候風土を考え、全ての建物に軒の出があり、雨水が壁を伝わらない様に考えてあった。伝統的なデザインを謙虚に取り入れながら、デザインを崩さずに日本の気候風土を考慮されて造られている。先陣の知恵である。
2008/01/24
いつか実現したい町並み
このパースは、私の先代から受け継いだ作業所の一部を50年間の定期借地権にて北米の様な町並みを再現するプロジェクトのものである。緩やかにカーブする道路とフェンスの無いオープンなガーデンは、外国映画のワンシーンの様に誰もがこんな街に暮らしてみたいと憧れるだろう。
この街に暮らす家族同士が末永く共感し合える様な街を創りいたいと考え、購入にあたっては、面談をさせて頂いた上で購入して頂くスタイルを考えていた。
このプロジェクトに共感し、先行予約までして頂いた方が数家族居たが、結果的に、役所から「緩やかなカーブした道等は前例が無い」という、如何にもお役所らしい回答により、認可されず実現することが出来なかった。
現在、その場所は優良企業に50年間の定期借地にてお借り頂いている。この場所では夢は実現出来なかったが、お陰さまで、より安定経営の基盤が出来、新たなるチャレンジも可能となった。
私が尊敬する建築家の手塚氏が手掛け、テレビドラマ等で何度もロケ地として使用されたマークスプリングでは、事情により結婚式が出来なかったカップルを住民が協力し合い、この街の広場にて2人を祝福する結婚式をおこなった。以前、この話しを手塚氏は嬉しそうに話してくれた。そんな街をいつかは創りたいと思う。
2008/01/23
この木なんの木
小中学生の頃、サザエさんが始まると、一気に憂鬱になった。また憂鬱な一週間が始まるからである。これをサザエさんシンドロームなんて言うのだろうか?
サザエさんの後、確か「素晴らしい世界旅行」(日立がスポンサー)そんな番組があった。(現在は世界不思議発見)そのエンディングに流された「この木なんの木気になる木~♪ 見たこともな~い 花が咲くでしょう♪」思わず口ずさみたくなるあのメロディ、こども心に「スゲーなぁ~こんなデカイ木、何処にあるのだろう??」といつも不思議に思っていた。サザエさんシンドロームを乗り越えて学校に行けたのもこの歌のお陰である。勇気付けられる不思議なパワーを持った木であり、歌だと今でも思っている。
社会人となり、たまたま、さだまさしのラジオ番組で「この木なんの木」がオワフ島(ハワイ)にあることを知った。どうしても、会いたくなりハワイに飛んだ。タクシーの運ちゃん曰く、当初、日本から来る観光客が「この木なんの木に連れて行ってくれ!」とか「日立の木まで」とか言われ、全く分からなかったそうである。当然だが、あの番組はハワイでは放送されていないからである。
実物を見た感想・・・。やはり、とてつもなくデカカッタ!!「やっと出会えましたね~その説はお世話になりました」そんな気持ちで思わず抱きついてしまった。
あのコマーシャルは実にベストアングルで、カメラの後ろには、ハイゥエイが走っていた。
時折、息子が口ずさんでいる「この木なんの木♪~」世代を超えて受け継がれているから凄い。
確か、以前、あの公園転売されそうになった時、木が切られるかもということで、日立が買い取ったような話しを聞いた。さすが日立!!非常に正しい選択である。お陰で、私もあの木の強烈な刷り込みにより、日立に対する企業イメージはすこぶる高い。
東急ハンズでこの木なんの木の種を買って3年程経つ。現在家の中でヒョロヒョロと成長しているが、あんな巨木になるのはいつの日かぁ~って感じである。
2008/01/20
大手住宅メーカーの広告
昨日少々遺憾に思う大手住宅メーカーの新聞広告があった。それは、家づくり初心者でこれから家を建てようとしている方を惑わす内容のものだった。(安建ファミリーの方には釈迦に説法な話しですが・・・)
築23年で阪神淡路大震災も耐え抜き、耐震性も築23年経過しても資産価値も下落しない住宅です。ということが言いたい様な広告であった。以下はその広告の一文。
「こんなデータがあります。住宅の平均寿命は、米国が約55年、英国が約77年に対し、日本はわずか約30年。・・・築30年を経過しても、建物に資産価値があり、売買できる家であること。そして住まい手が、愛着をもって住みつづけること。これらの用件を満たすことで、ロングライフ住宅と呼べる家になるのです」というものだった。
耐震性や耐火性については、以前この日記でもお伝えしたが、現在の建築基準法を満たしていれば、地盤の液状化やがけ崩れを除き、十分耐えうる性能はどの家でも満たしている。
時計が正確な時間を示すと同様、当たり前のことである。今更自慢することでも無いと思う。
一番遺憾に思ったのは、日本の住宅の平均寿命が短いその説明が全く勘違いしている。
物理的に居住することが不能になり、ミンチ(解体)される住宅は非常に少ない。
30年後の資産価値と聞くと、少々難しく聞こえるが、実はとてもシンプルである。「30年後、第三者がこの家に暮らしたいかと思う様な家であるか否かである」それで、全ての資産価値は説明が完結する。いくら、物理的に暮らせても、第三者がこんな家に暮らしたく無いと思う様な家には資産価値は無く、評価されるのは土地のみである。
どんな家でも、極端な話し賃貸アパートでも、暮らし始めれば、人は愛着を持つ。しかし、真の愛着とは、道行く人までもがどことなくなつかしさを感じ、優しい気持ちになることが出来る住宅こそ、真の資産価値を兼ね備え、誰もが愛着を持つことが出来る家だと思う。
感性が豊かで勉強熱心なエンドユーザーはこの様な広告を見れば見るほど不信感を抱くに違いない。
2008/01/19
追伸
以前もお伝えしたと思いますが、お陰様でとてもいいお客様に担がれ、非常に込み合っております。ありがとうございます。
安城建築に対して期待値の高い方は少々クールダウンをお願いします。安城建築は、技術屋のチームです。営業会社ではありまあせんので、サービスは2流と思って下さい。
2008/01/18
老舗工務店として、どうしても次の世代に継承しなければならなかった擬洋建築
もし、私がこの輸入住宅に関心を持った切っ掛けにご関心がある方は、「会社案内」の「経営者紹介」、「西洋住宅に憧れて」を見て頂ければと思う。
その中には書かれていないエピソードを少々。
この写真は、弊社モデルハウスの横に建っている築7年になる擬洋風建築である。私が建築に関心を持った原点であり、この建築は我が国が世界に誇ることの出来る建築である。勿論、輸入住宅のルーツでもある。
この建物も建築するにあたり、明治村に何十回足を運んだろうか?得に感銘を受けた三重県庁舎の移築報告書を参考にしたかったが、既に完売されていた。通い続けたある時、無理を承知で明治村の事務所へ、移築報告書を譲って頂きたいとお願いに伺った。
対応して頂いたのは、建築部長さん。さすがに西洋建築の知識は半端では無く、こころの底から西洋建築を愛している方だった。
暫く雑談し、本題の報告書の話しをすると、顔をしかめられた。「この建物は重要文化財です。この移築報告書を元に同じ様な建物を造られ、明治村と同じ建物です。と言われては侵害である」と言われた。
私は、中学校の社会見学で訪れた際、旧三重県庁舎を初めて観た時の衝撃をお話ししながら、次の様にお話しさせて頂いた。
「この明治村にある建物は、全て日本が世界に誇ることが出来る名建築だと思います。私は以前、北米の町並みを観て愕然としました。世界最古の(1300年前)の木造建築を造った我が国が築20年足らずで住宅をミンチ(解体)となり、建国200年足らずの国が築100年の住宅を売買されています。建築屋として築50年経た時、保存活動が起こる様な魅力的な建物を残したいと思います。そのお手本がこの明治村にあります」
「この明治村を造られた方は、ミンチされる美しい建物をどうしても残したいという強い想いがあったと思います。これらの名建築を明治村さんだけのものにしたいとその方は思うのでしょうか?私は、建築屋としてその想いを受け継がせて頂きたく思います」とお伝えした。
建築部長さんの表情が穏やかになり、「分かりました。特別にお譲り致します」と言われた。
破風(屋根の三角部分)は大工さんの手彫りによるもの。その昔、錦絵を見ながら擬洋建築を造った職人と同じ気持ちで大工さんが造り込んでくれました。
この建物が完成した時、立ち止まり、建物を見上げる腰の曲がったおじいさんが居た。
私が、挨拶をすると、深いやさしさに包まれたかの様におじいさんは言った。「とてもなつかしい」と。
この建物は正直言って、一部のマニアだけの建物であり、商業ベースで考えれば、建築会社としては採算の合わない建物である。建築にあたり、社内でも賛否両論があったが、老舗工務店として、世界に誇れる名建築を建てた先輩方への敬意を表し、どうしても次の世代に継承したかった。
2008/01/18
隠れてしまう構造のこだわり 純粋な北米式ツーバイフォー工法その①
安城建築では、あえて手間ひまの掛かる北米式インチフィートモジュールによる現場フレーミング(工場にてパネルを作成しない工法)をお勧めしている。この工法は、施工中雨に濡れるというデメリットもあるが、その理由はシンプルである。まったく同じ材料でもより丈夫な構造体が出来るからである。この写真は外壁の構造用合板が張りかけの状態のものである。(この壁合板は日本のツーバイフォー工法に使用する壁合板に比べ、約、1.3倍大きく、厚い)
通常工場生産されるツーバイフォー工法は、1階の床部分と1階の壁部分、2階の床部分、2階の壁部分、全ての接合部分の外壁合板がバラバラであり、釘と鉄のバンド、ホールダウン金物等で接合している。しかし、純正な北米式ツーバイフォー工法では、その一番弱い接合部分に外壁構造用合板をまたがせて貼っていく。その為に、現場にて壁の構造用合板を張らなければならない。しかし、この手順により、強度は明らかに違ってくる。事実、ツーバイフォーのフレーミングを専属に手掛ける大工が自らの家を建てる際には、迷い無くこの工法と同様の工法で建てている。この大工曰く、パネル工法に対し、「どうして同じ材料を使用し、わざわざ弱いものを造る必要があるのか?と疑問に思う」と言う。
時々、現場フレーミングの場合、施工中の雨濡れを心配される方がいるが、元々構造用合板は、軍事用に戦車がぬかるみで立ち往生しない様に開発されたものである為、施工中の雨程度で腐ってしまう様なものではない。当然であるが、造作前には十分乾燥養生をおこなう。
上記以外にも同じツーバイフォー工法でも様々な造り方がある。しかし、ツーバイフォー工法を手掛ける業者なら誰もが、純粋な北米式ツーバイフォー工法のが、より優れていることを知っている。しかし、手間と時間と雨濡れによるクレームを避けたいが為に、造ることを避けているだけである。
余談
ツーバイフォー工法は増改築がしにくいのでは?と心配される方がいるが、弊社では、外壁に面する開口部の上部に取り付けるひと回り大きい材料(マグサ)を可能な限り上部に取り付け、後々のリフォームの際、開口の高さも上げられる様にしている。
2008/01/16
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