大凡30年前、私が十代半ば頃、度々夏休み等を利用して安城建築でバイトをしていました。

その頃は特に公共工事の大型物件(学校の校舎等)が多く、バイトの私はコンクリートで固められた床から飛び出ている無数の鉄筋棒をひたすら折り曲げたり、はつり機(コンクリートを砕く機械)でコンクリートを砕く作業を粉塵にまみれながら気絶しそうな炎天下の下で働いていました。

特に床のコンクリートを流し込んだ翌日の仕事は遥かに想像を絶します。足元からはコンクリートが固まる際、化学反応による熱と高湿度。そして猛烈な照り返し。頭部は猛烈な直射日光がヘルメットを熱します。

そんな状況なので、お昼の弁当の米が喉を通りません。食べないと体が持ちませんので、お茶づけにして無理やり流し込んでいました。

そんな現場で共に働いていた人夫(にんぷ)のおじさんが本日、ひょっこりと事務所を訪ねてくれました。今ではすっかりおじいちゃんになられましたが、『差し入れ』と言ってパンを持参してくれました。大げさですが、あの過酷な現場で共に戦ってきた戦友です。

⇒人夫のおじいさんの差し入れの食パンの一部。ハウスアドバイザーの澤曰く、菓子折ではなく食パンというところに物凄く人夫のおじさんの温かさを感じると感銘していました。

創業昭和四年 安城建築 浅井宏充